
こんにちは、ニュージーランドワーホリ中のナツメです。
約2ヵ月かけてニュージーランド北島をロードトリップ中。計画なし、行き当たりばったりの珍道中をお楽しみください。
さて、今回も北島ロードトリップといいつつ南島はカイコウラでの一日についてお届けします。
カイコウラでは、ニュージーランド入国後すぐにお世話になっていたオーペア先のホストファミリーの家に一泊させてもらいましたが、そこでプチ事件が。
ホストファミリーのこどもと久しぶりの再会を果たし、庭で遊んでいた時のこと。
庭先に緑色の小さな物体を発見、何かと思って目を凝らすと….なんとスズメ大の小さな鳥がうずくまっていました。
弱弱しく震える鳥を眺めていたところ、こどもも鳥に気づき…..なんとひょいっと拾い上げました。

”野生生物を触るのは良くないのでは?” ”ウイルスとか大丈夫?”
私がそんなことを考えている間に、こどもはお母さんに鳥を見せるため部屋の中へ
”さすがに部屋に動物を入れるのはマズイ!”と止めに入ろうとすると、なんとお母さん
『あなたの兄弟にもみせてあげなさい』とのこと。
こどもはそのまま家の中にいた兄弟のもとへ、他のこどもも鳥をなでて可愛がっていました。
さすが自然と共生するニュージーランド、この辺の感覚はとてもおおらかですね
その間も鳥は特に抵抗することなく、おとなしくこどもの手の中に納まっていました。
様子を見ていたお母さんに『弱っているみたいだからそっとしておいてあげて』と言われ、こどもが洗濯かごを使って鳥のためのお部屋を用意。
お水や果物を入れてあげたり、自分のおもちゃを入れてあげたりとかいがいしく世話を焼きます。
「ずっとペットに鳥が欲しいと思ってたの」と嬉しそうな子ども
私は、「野生動物を勝手に飼育するのはニュージーランド的にどうなのかしら?」と不安で、あまり期待をさせないような相づちを打つのが精いっぱいでした。
少しして、こどもの世話のかいあってか鳥が元気を回復。
羽をパタパタさせて部屋の中を散歩しだしました。

こどもがお母さんに報告に行くと案の定『よくやったわね、そしたら野生に返してあげて』との返事。
てっきりペットにできるものと思っていたこどもは、ショックのあまり絶句。
それでもお母さんに促されるまましぶしぶ、鳥を連れて外にでますが、鳥はなかなか飛び立ちません。
「この子、わたしから離れたくないみたい!」と再び嬉しそうな顔
しかし・・・・
お母さんが子どもの手からパッと鳥を奪い、逃がしてしまいました・・・。
こどもは当然大泣き、部屋に閉じこもってしまいました。
お母さんは『彼は野生動物だから飼うことはできないよ』と説得しましたがこどもは受け入れ切れない様子。お母さんも他の子のお世話に忙しく、ゆっくり話を聞いてあげる余裕はなさそうでした。
そこで私はこどもの部屋に行き、こどもを抱きしめ、説得を開始。
「お母さんも言ったように、彼は野生動物だから、自然の中にいるほうが幸せなんだよ」
「もしかしたら森の中にお友達がいるかも」
「とってもつらいよね、でもあなたは彼のために自分を犠牲にしたんだよ、誇っていいことだよ」
いろいろな言葉をかけますが、なかなか泣き止んでくれません。
そこで、最後に「もしかしたら彼は、広い世界を旅して、たまに君の家にあいさつに来るかもしれないよ!どんな冒険をしたのか聞くの、楽しみじゃない?」と聞いてみました。
するとほんの少しだけ、楽しそうな表情がこどもの顔に宿りました。
嘘をついてしまったのは心苦しいけれど、3ヵ月前この家にいた頃は、泣くこどもを前にオロオロすることしか出来なかったので、少なくともこどもを笑顔にすることができて、良かったと思います。
そのまま私の出発時間となり、家族とハグをしてお別れしました。
今後一生会う機会がない可能性の方が高いお別れ、なんだか不思議な気持ちでの出発です。
次回
車と一緒にフェリー乗船。いよいよ北島上陸